ゲームレビュー】『The Closing Shift(閉店事件)』――コンビニの夜勤が地獄の入り口になる

【ゲームレビュー】『The Closing Shift(閉店事件)』――コンビニの夜勤が地獄の入り口になる

カテゴリ: ホラーゲーム/対応言語: 日本語あり/配信: Steam

作品概要

『The Closing Shift(閉店事件)』は、日本人インディーデベロッパー・Chilla’s Artが開発したホラーゲームで、Steamにて配信されています。
Chilla’s Artは「夜勤事件」「事故物件」「行方不明」など、日常に潜む恐怖を題材にした作品で知られており、本作もその代表的な一作です。
舞台は深夜のコンビニ。プレイヤーは夜勤アルバイトとして業務をこなす中で、次第に得体の知れない異常に巻き込まれていきます。
ゲームプレイ時間は2〜3時間程度ですが、圧倒的な没入感と恐怖演出により、短編映画を体験するような濃厚な時間を過ごすことができます。

ゲームプレイとシステム

ゲームは一人称視点で進行し、プレイヤーは実際のコンビニ店員のように接客や品出し、清掃などの業務を行います。
しかし、日常的な業務の合間に少しずつ“異常”が混じり始めます。防犯カメラに映る謎の人影、説明のつかないノイズ、そして深夜特有の不気味な静寂。
これらは小さな違和感として積み重なり、やがて強烈な恐怖体験へと変貌します。
特徴的なのは、ホラーゲームにありがちな派手なジャンプスケアよりも、生活感のあるリアルな演出を中心に恐怖を作り上げている点です。

プレイヤーは「何気ない作業の中に潜む不気味さ」に直面することになり、現実のアルバイト体験と重ねてしまうことで恐怖が倍増します。
また、ゲームには複数のエンディングが用意されており、プレイヤーの行動次第で物語の結末が分岐するため、リプレイ性も高いです。

恐怖の仕掛け

『The Closing Shift』がプレイヤーを震え上がらせる理由は、その恐怖の「リアルさ」にあります。
深夜のコンビニは誰にとっても馴染みのある日常の場ですが、同時に孤独や不安を感じやすい場所でもあります。
本作はその心理的な隙間を突き、以下の仕掛けで恐怖を演出します。

  • 監視カメラの映像:画面越しに映る異常は、現実感と恐怖を同時に増幅させる。
  • 日常の反転:普段は安心できるコンビニが、舞台装置として恐怖に変貌する。
  • 音の使い方:環境音、ノイズ、足音などのさりげない音響効果が、背筋を凍らせる。

読後感ならぬ“プレイ後感”

プレイを終えた後に残るのは、静かな不安感です。
コンビニという日常空間が、もう以前のようには感じられなくなり、実際に夜勤をしている人々への共感と恐怖が同時に湧き上がります。
Chilla’s Artは単なる怪異の出現ではなく、「日常の裏側に潜む恐怖」を描くことに長けており、本作もその真骨頂といえるでしょう。

『The Closing Shift』は、短時間でありながら記憶に強烈な爪痕を残す作品です。
ホラーゲーム初心者でも手軽にプレイできますが、そのリアルさゆえに心臓の弱い人には注意が必要です。
コンビニでの“夜勤”が、あなたにとって最も怖い労働体験になるかもしれません。

蒼井カナタのアイコン
🌙 蒼井カナタ

「夜勤ってただでさえ怖いのに…ゲームのせいでコンビニ行くのもビクビクするようになったよ…」

黒咲ミユのアイコン
🦇 黒咲ミユ

「何気ないバイトの景色が地獄に変わるなんて最高ね。次はあなたの近所のコンビニかもしれないわよ?」

© 2025 こわ!ブロ All Rights Reserved.