
【映画レビュー】『近畿地方のある場所について』――“特定できない土地”が主役になるホラー
作品概要
背筋のウェブ小説を原作に、白石晃士監督が実写化したモキュメンタリー風ホラー。
編集長の失踪を追うオカルトライター・千紘(菅野美穂)と編集者・小沢(赤楚衛二)が、雑誌記事や都市伝説を検証するうち、すべてが「近畿地方のある場所」に収れんしていく──という構造が恐ろしい。
初週4日で興行収入4.4億円・動員31.8万人、2025年最大のヒットホラーとして注目を集めた 。
“場所”が紡ぐ謎の重層構造
本作の怖さは「場所を明かさない」構成にある。兵庫・奈良・滋賀の郊外が撮影協力エリアと噂されるが、公式には公表されず、ファンの推理と空想がSNS上で広がり続けている。
これにより作品は実在と虚構の境界における“場所ミステリー”と化している。
演出ポイント:モキュメンタリーホラーの臨場感
- 資料室というリアル拠点:地下資料室での調査シーンは、真実の発掘と恐怖の芽生えを同時に演出。
- 音響で誘う空間の暗がり:しんと静まった廊下で響くメトロノームのような音が、疑心と緊張を持続させる。
- 映像操作のフェイク感:目撃証言の再現映像や群衆の歪んだ視線に、虚実の境が揺れる焦燥を体感できる。
都市伝説から“自分事”へ──観客の主観が動員を作る
「近畿地方の“どこか”にある」という曖昧さが、観客それぞれのエリアを思い起こさせる。滋賀や奈良で特にヒットを記録したのも、地域に根ざした恐怖が“自分事”になった結果だ

「この恐怖、ほんとは“あなたの近所”にもあるかも…って思わせるやり方、怖くてセンスあるね」
© 2025 こわ!ブロ All Rights Reserved.
「場所をぼかすって…怖さを観客の頭の中に広げるってことなんだね。鬼より心に刺さったよ…!」