【ゲームレビュー】『The Convenience Store(夜勤事件)』――コンビニの深夜に忍び寄る見えない恐怖

【ゲームレビュー】『The Convenience Store(夜勤事件)』――コンビニの深夜に忍び寄る見えない恐怖

カテゴリ: ホラーゲーム/対応言語: 日本語あり/配信: Steam

作品概要

『The Convenience Store(夜勤事件)』は、日本のインディーデベロッパーChilla’s Artによる短編ホラーゲームです。
Steamにて日本語対応版が配信されており、世界中で高い評価を得ています。
本作は「深夜のコンビニバイト」という誰もが知る日常を舞台にしながら、その裏に潜む不気味さをリアルに描き出します。
開発陣の特徴でもあるVHS風のグラフィックと環境音の巧みな使い方により、プレイヤーはまるで自分自身がコンビニで働いているかのような没入感を得られます。

ゲームプレイとシステム

ゲームは一人称視点で進行し、プレイヤーは夜勤アルバイトとして接客や商品陳列、清掃などを行います。
序盤は通常の業務が中心ですが、次第に不可解な出来事が起こり始めます。棚の商品が勝手に落ちる、防犯カメラに見知らぬ人物が映る、客の行動が不自然…。
こうした小さな異変が積み重なり、気がつけば背筋を凍らせる恐怖体験に変貌していくのです。
特に監視カメラを操作して異常を発見する場面は、プレイヤー自身が「目撃者」になる感覚を強く与え、臨場感を倍増させています。

また、本作には複数のエンディングが用意されており、プレイヤーの行動や選択次第で物語が分岐します。
そのため、1周だけでなく繰り返しプレイすることで新たな恐怖や真相に触れることができる点も魅力です。

恐怖の仕掛け

『夜勤事件』の恐怖は、日常生活の中に潜む「不安」を増幅させることにあります。
誰もが行ったことのあるコンビニ、その深夜シフトの孤独感――そこに怪異が侵入することで、プレイヤーは現実との境界を曖昧に感じます。

  • リアルな空間設計:陳列棚やバックヤード、監視カメラなど、実際のコンビニを忠実に再現。
  • 視覚と聴覚の違和感:僅かな物音や視界の隅に映る異変が恐怖を倍増させる。
  • 心理的恐怖:「働いているはずの安心な場所」が反転し、孤独と不安が極限まで高まる。

プレイ後に残る感覚

ゲームを終えた後、プレイヤーの心に残るのは“漠然とした不安感”です。
コンビニという明るく便利な空間が、実は最も孤独で脆弱な場であることを体感させられるからです。
派手な演出や大量の敵は存在しません。しかし、だからこそ一つひとつの異変が強烈に胸に刺さり、忘れられない体験となります。
Chilla’s Art作品に共通する「日常の裏側にある恐怖」のコンセプトが、もっともシンプルかつ効果的に表現されたタイトルといえるでしょう。

蒼井カナタのアイコン
🌙 蒼井カナタ

「防犯カメラを覗くたびに心臓がバクバクしたよ…。現実のコンビニで働く人の気持ちまで考えちゃった」

黒咲ミユのアイコン
🦇 黒咲ミユ

「コンビニって灯りが眩しいのに、なぜか不気味さがあるのよね…。あの“孤独な夜勤”を思い出すとゾワッとするわ」

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